船乗りたちへの熱い想いを歌い、昨年12月にCDを発売したシンガーソングライターのRio(リオ)さんは、本紙が発売前の11月に、いち早く紹介。その後、全日本船舶職員協会の機関誌でも詳しく報道されているが、最近、日本海事広報協会発行の「海上の友」(4月1日付)が取り上げ、紙面の1ページ分を使って大々的に紹介したので、ご存じの方も多いと思う。
 歌は「終焉幕〜エンドロール」作詞・作曲はもちろんRioで、アルバム「TAXI」として発売されている。
 4月に入ってRioはミュージシャンとしての活動の幅を広げ、4日からはラジオ番組を始めた。
東海ラジオ(AM1332kHz)で毎週金曜日25〜26時の1時間番組、「『Rio』の伝説の空き地」がそれだ。番組のなかで、いろいろな分野の知名人をゲストに招き、面白い番組にしたいと意気込んでいるという。若い人たちに海と船乗りの魅力が伝えられ、さらには現場で働く船員にビジョンと夢を投げかける番組になればと願う。

 このところの海運界は、昨年7月に海洋基本法が施行、本年3月には海洋基本計画も閣議決定されて、船員の確保・育成のための青少年の海洋に関する興味を喚起し、海運業の職業としての魅力向上の取り組みが始まっている。内航業界では東京や四国・中国の船どころで、国交省の肝いりによる「内航海運フォーラム」が開催されたのは周知のとおりだ。
 しかし、フォーラムの内容は、どうしても大学の先生や偉いお役人の、お堅い話に偏りがちだ。講釈の中身をどう咀嚼し、形にするかは事業者側の問題だが、若い人が本当に耳を傾けるかどうかは、すこぶる疑問である。
 あるフォーラムで女性パネリストが「平成の海援隊を組織し、若者が名前をよく知っているタレントを起用して内航海運を舞台にした番組を作ってはどうか」と発言した。業界側は「ユニークな視点からの意見」と受け止めてはいるようだが、即実行しようという動きは見えない。本欄で紹介している「Rio」が、「海援隊」のさきがけとなればと願う。

内航海運新聞 平成20年4月14日号掲載)

全日本内航船員の会で応援してきたRioが「内航海運新聞」で紹介されました。